はじめよう、「夫婦会議」


子どもを授かって嬉しいと思う反面、実際に夫婦の間に一人二人と加わっていくと、家事や育児、働き方のことなどですれ違いを感じる機会が増えるもの。その理由の一つに「夫婦でキャリアを考える機会の不足」があります。
(キャリア:仕事だけでなく日々の暮らしや人間関係を通じて築き上げる「人生」そのもの)

そもそも夫婦の話題が子どものことに終始しがちな中、子どもや自分自身のキャリアを考えることはあっても、パートナーのキャリアまで考える人は少ないものです。しかし、それで本当に良いのでしょうか?

子どもはいつか巣立ちます。
長い夫婦生活の中で再びふたりに戻る時、そこに今よりも深い信頼関係があるかどうかは、夫婦が互いの意思を尊重するなかでパートナーシップを発揮し、一人の人間として、夫婦・家族として、幸せな選択を重ねることができたかどうかに掛かっています。

結婚して、妊娠して、出産して、育児がはじまって…あなたはその時々で、自分のパートナーがどんな将来を思い描いているのか、把握できていますか?互いに思い込みで、夫婦の役割を固定化しているようなところはありませんか?

共働きか専業かに関係なく、夫と妻の役割が分断されがちな産前・産後は、日常のあらゆる場面でお互いの考え方や行動にズレが生じやすくなる時期。そこから、産後うつ、DV、虐待、育児放棄などの「母子の命に関わる危機」や、産後クライシス、セックスレスなど「離婚に繋がる危機」に発展することもあるのです。

だからこそ、定期的にお互いの「ありたい姿(理想)」を共有しあいながら、夫婦として、家族としての未来をつくっていくことが大切。

今まさに子どもを授かったご夫婦も、すでに子育て中のご夫婦も。「世帯経営」という考え方をヒントに、対話を通じて合意形成できる関係を築いていきませんか。現実を分かち合える唯一の存在。それが夫婦であり、「わたしたち」と呼び合える関係性自体が夫婦の特権です。

誰にでも起こりうる産後の危機を乗り越え、わが子に幸せな家庭環境を創り出していける夫婦になるために。ぜひ定期的に「夫婦会議」を行ってみてください。産後をキッカケに、更に素敵な夫婦のパートナーシップを築いていけますように。ご夫婦・ご家族の明るい未来を、心から願っています。


「夫婦会議」とは?


「夫婦会議」とは、人生を共に創ると決めたパートナーと、より良い未来に向けて「対話」を重ね、行動を決める場のことです。

自分一人の意見を通すため・相手を変えるために行うものではありません。特に育児期においては、わが子にとって、夫婦・家族にとって「より良い家庭環境」を創り出していくことを目的に行います。

家庭は社会の最小単位であり、子どもたちが最初に触れる社会そのものです。大切なことを前向きな気持ちで対話していきましょう。


《Point》「対話」と「会話」は性質が異なる!

「対話」とは、価値観の違いを尊重し、互いに納得のいく結論を導き出していくコミュニケーションのことです。

日常的な「会話」はもちろん大切ですが、妊娠期〜産後・育児期は「対話」の重要度が増します。なぜなら、あらゆる場面ですれ違い易くなるのがこの時期の特徴だから。

実際に、家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、自由時間、美容と健康、祖父母との関係など、多様なテーマで現実に向き合い、お互いにとって心地よい「働き方や暮らし方」を模索していくことは容易ではありません。時には、「言えば喧嘩になる」「気まずくなる」という場面もあるでしょう。しかし、ネガティブな感情を乗り越えていかない限り「夫婦の信頼関係」は深まりません。

生涯を共に歩むと決めた相手に対して自分の感情や考えをきちんと伝え、大切なことを話し合って決める。それが「対話」です。


《Point》「世帯経営」を土台に!

夫婦は「世帯の共同経営者」。

世帯経営とは、“わたし”だけでなく“わたしたち”で未来を創るという姿勢で、夫婦の理想をカタチにする思考法です。

「世帯経営」という考え方を土台に置いて、“わたしたち”を主語に夫婦会議を行うと効果的。「僕が、私が」とお互いの主張を競い合う関係から、「わたしたちとして、どうするか?」という視点で対話を進められるようになります。


※「世帯経営」はキャリアデザインの観点に基づく思考法です。あらゆる世代のご夫婦にお役立ていただけますが、夫婦関係の土台が形成される初期段階(結婚前〜妊娠・産後・育児期)に取り入れていただくことをおすすめしております。
※「世帯経営」はLogista株式会社の商標登録です。(登録番号5898897号)


夫婦会議のテーマ


会議にはテーマが必要。しかし、いざ夫婦会議を始めようと思っても「何を話し合えば良いかわからない…」「どう進めたら良いかわからない…」というご夫婦は少なくありません。

そんなご夫婦は、まず初回の夫婦会議で「ビジョン」の共有から始めてみてください。その上で、わが子により良い家庭環境を創り出していくために一度は話し合っておきたいテーマ「世帯経営領域」を参考に対話を深めていくことをおすすめします。

「ビジョン」とは?
ビジョン…在りたい姿・目指したい未来は、夢や目標に関わる重要なテーマ。はっきりとしたイメージがある人ばかりではなく、ライフイベントを機に変化することも多いため、お互いに関心を持ち、定期的に話し合うことが大切です。人生を共に歩むと決めた者同士、最も共有しておきたいテーマといえます。

お互いのビジョンの共有にはじまり、あらゆる理想と現実をテーマに対話を重ねる夫婦会議。

家事、子育て、仕事、お金、住まい、セックス、自由時間、美容と健康、人間関係…ここに挙げた9つの「世帯経営領域」は、子育て期夫婦の対話の基本テーマですが、中でも「人間関係」が大きなテーマになってくることは少なくありません。

なぜなら、子育ては夫婦の間だけでは完結しないから。

祖父母、仕事仲間、友人、隣近所の方、保育園や幼稚園の先生、病院の先生など、周囲の方々の理解と協力が、必ずどこかで必要になります。「ごめんなさい、ありがとうございます」の精神で、少しずつ力を借りながら、わが子にとってより良い子育て環境を創り出していくことも親になった夫婦の大切な役目です。子育ては、みんなで楽しく!ぜひ一度、子育てを取り巻く人間関係についても夫婦会議のテーマに挙げてみてくださいね。


夫婦会議の進め方


テーマや議題を決めて夫婦会議を始めても、行き詰まってしまうことがあります。
そんな時は、「進め方」が上手くいっていないのかも…?

たとえば、現状に不安や不満を抱えたまま理想を語り合っても、「どうせ言ってもムダ」「何を今更…」というような白けた気持ちや諦めムードが拭えず、話が停滞してしまうことがあります。また、理想の状態を擦り合わせること無く、目の前の問題を話し合ったり、解決策や行動計画を出そうとしても、本気で状況を変えていくようなアクションや協力体制には結びつき難いものです。

夫婦会議を行う際は「進め方」も大切です。始めてみたものの上手くいかない…という方は、次の3つのステップを参考に見直してみてくださいね。

《Point》Stepごとに「価値観の違いを尊重し合う」ことで、お互いに納得のいく結論を導き出し易くなる。

夫婦会議の3つのステップ

Step1:現状を把握する
…満足・納得していること/不安・不満に感じていることは?

Step2:理想を共有する
…変えたいことはある?互いに納得できる理想の状態は?

Step3:行動を検討する
…理想の実現に向けて何をする?「わたしたち」として、どうする?


より良い夫婦会議のために「対話のコツ」


夫婦会議は、自分の意見を通すため・相手を変えるために行うものではなく、わが子はもちろん、夫婦・家族にとってより良い家庭環境を創り出していくために行うものです。前向きな気持ちで本音を出し合い、「わたしたち」としての答えを導き出していけるように、次の「対話のコツ」も参考にしてみてください。

 

対話のコツ

1、「わたしたち」を主語にする
わたしたちとしてどうするか?を考え決める。

2、「ん?」と思ったら確認。お互いの感情や考えに関心を持つ
価値観の違いを感じた時ほど相手に関心を持ち、「どうしてそう思うの?」「もう少し詳しく聴かせて?」などと質問をする。

3、価値観の違いを受け止める
繰り返しやり取りを重ねてみても価値観が交わらない場合には「そういう感じ方・考え方もあるのだな」と、相手の主張を自分の頭の中で一旦考えた上で受け止める。

4、遠慮しない、過信しない、諦めない
「迷惑をかけたくない」と遠慮したり、「夫婦だから言わなくても分かるはず」と過信したり、「元は他人だから分かるはずがない」と諦めたりせず、夫婦の信頼関係を深めていくつもりで自分の感情や考えを言葉にする。 

5、ふたりで夫婦会議のルール・マナーを考える
お互いのコミュニケーションの癖を踏まえ、「目を見て話す」「話は最後まで聞く」「否定から入らない」など、前向きに対話を続けていくためのルールやマナーを考える。


はじめのうちは上手くいかないこともあるかもしれません。しかし夫婦会議は、より良い未来に向けた前向きな時間。まずは、これまでにご紹介してきた「進め方」や「対話のコツ」などを参考にご夫婦のペースで取り掛かり、試しに3回は続けてみてください。回を重ねるほどにパートナーシップが強くなっていく実感が得られると思います。

 

また、更に詳しいやり方や、テーマごとの対話のヒントなどを、弊社で発行している夫婦会議ツール「世帯経営ノート」や「夫婦会議ノート」にまとめています。ご夫婦の間にノートを開き、書いたり話したりを繰り返すうちに「気持ち(本音)」が見える化され、深い理解の上で協力し合える夫婦関係が築かれていきます。

 

その他、夫婦会議を実際に行うキッカケの場として、「夫婦会議の始め方講座(お一人参加可能)」「夫婦会議の体験講座(夫婦参加必須)」なども、ご依頼に応じて全国各地で開催しています。お近くで開催されていることがありましたら、ぜひ一度足を運んでみてください!